表側矯正について
表側矯正は、歯並びを改善する矯正治療法で、歯にブラケットと呼ばれる器具を取り付け、その上にワイヤーを通すことで、歯を徐々に動かす方法です。
ワイヤー矯正には様々な装着と種類の矯正装置が存在します。以下で詳しく説明します。
表側矯正のメリット・デメリット
表側矯正は歯並びを改善するために、多岐にわたり使用されています。
様々なメリットがあります。
- 広範な適用範囲： 表側矯正はほぼ全ての症例に適用できます。現代において、様々な矯正装置が存在しますが、ワイヤー矯正は最も幅広い症例に対応しており、歯の動きを細かくコントロールできます。
- 自然な発音： 言葉を発する際、舌は複雑な動きを行います。表側矯正では、舌に装置が当たらないため、通常の発音が可能です。 他の矯正法と比較して発音に支障をきたすことがありません。
- 経済的な問題： 表側矯正は最も一般的に使用される矯正法の一つで、他の矯正方法に比べ一般に費用が抑えられます。予算に制約のある患者様にも適しています。
- 歯の手入れが容易： ブラケットとワイヤーが歯の表面に取り付けられているため、食事中に食べ物が詰まることや汚れが付着することがあります。しかし、鏡と歯ブラシを使えば、簡単にこれらの問題を解決できます。
これらの利点は、表側矯正を選択する際に患者様にとって魅力的な要素です。
表側矯正のデメリット
表側矯正は多くの利点を持っていますが、デメリットもあります。
表側矯正には金属のブラケットとワイヤーが使用されるため、口を開けた時にはどうしても目立ちます。ただし、透明な審美ブラケット使用することで、金属のブラケット・ワイヤーと比べて目立ちにくくすることができます。これらは自然な見た目を実現します。
使用される主な装置
歯科矯正用アンカースクリュー
歯科矯正用アンカースクリューとは、矯正歯科治療に用いるミニインプラントです。歯科矯正用アンカースクリューは直径１,6～２mm、長さは、６～８mmほどの小さなネジの形をしています。材質はチタン製ですので、人体への為害作用も少なく安全な材料です。矯正治療では歯を動かすために歯に力を加えますが、反作用を受けた歯も同時に動こうとします。動かしたい歯を動かし、動かしたくない歯を動かさないというのが矯正治療ではとても重要です。このとき、動かしたくない歯のことを固定源と呼びます。歯科矯正用アンカースクリューを固定源とすることで、これまで使用されてきたヘッドギアを使わず良好な治療結果が達成できます。
メリット
- 患者様の負担が少なくなる。従来は固定源としてヘッドギアなどの装置を使う必要性がなくなります。患者様の協力度に関係なく良好な治療結果が得られます。
- 開咬、ガミースマイルなどの症例で外科矯正治療を回避できることがある
- 効率的に歯を移動できるので治療期間の短縮になる
デメリット
- 脱離することがる
- 約１０％の割合で骨にしっかり固定されずゆるんだり脱落してしまうことがあります
- 小児には使用できない
※15歳以下では、骨の成長が旺盛で柔らかいためアンカースクリューは禁忌とされています。
- 歯根を傷つける可能性がある
- アンカースクリューを歯の根と根の間に埋め込む場合、その際に歯の根を傷めてしまう可能性がある。
ワイヤーの種類
ニッケルチタン
超弾性と形状記憶の特徴を持ったワイヤーです。
矯正を始めたばかりの状態はまだ歯が動くことに慣れておらず、太いワイヤーや大きな力をかけると痛みが強く出てしまいます。
矯正開始直後には、曲げられたニッケルチタンが元に戻ろうとする持続的な弱い力を使って歯を動かしていきます。
ステンレス
ステンレスワイヤーは、矯正治療に使用されるワイヤーの一種です。このワイヤーは太くて硬く、非常に耐久性に優れています。
ステンレスワイヤーには、特に形状を変えるための「ループ」と呼ばれる曲線やその他の加工が施されており、これを使用して歯の角度を調整することができます。この特性により、歯を効果的に移動させることができます。
一方、ニッケルチタンワイヤーはその超弾性と形状記憶の特性から、部分的な曲げが難しい場合があります。そのため、通常、歯並びがある程度整ってきた段階で、ステンレスワイヤーに切り替えて調整を行うことが一般的です。
矯正装置
メタルブラケット
メタルブラケットは、歯列矯正に広く使用される一般的なブラケットの一種です。このブラケットは金属製で、その耐久性と強さから、壊れにくく頑丈です。通常、メタルブラケットは銀色で、他のブラケットと比較して外から見たときにより目立つことがあります。
審美ブラケット
審美ブラケットは、歯列矯正に使用されるブラケットの一種です。このタイプのブラケットはハイブリッドプラスチックという素材で作られており、天然歯に近い色のめ、視覚的には非常に魅力的です。このブラケットの特徴として、着色や変色がほとんどなく、非常に耐久性があることが挙げられます。
審美ブラケットは金属製のブラケットに比べて目立ちにくく、治療中の審美性を気にする患者様にとって魅力的な選択肢となっています。歯に装着された際に天然歯に近い外観を保ち、見た目の変化を最小限に抑えつつ、歯列矯正治療を受けることができます。
表側矯正における矯正と調整
表側矯正において、調整とメンテナンスが大切で、月に1度の来院が一般的で、これにより歯を徐々に理想的な位置に近づけていきます。ワイヤーは歯の動きに合わせて細かく調整され、最初は柔らかく細いものから始まり、次第に太くて硬いものに変更されていきます。これによって、治療が進行し、歯の位置が調整されます。
また、ワイヤーとブラケットが口内に配置されることから、歯磨きが難しく、プラーク（歯垢）や歯石が蓄積しやすくなります。教わった方法でていねいにブラッシングをしてください。口腔衛生状態が不良の場合、ブラッシング指導やクリーニングを行います。このような調整とメンテナンスは表側矯正治療の一環であり、治療の成功に不可欠です。必ず定期的な来院を、守りましょう。
ご予約の時間は必ずお守りください。
約束の時間に遅れた場合、予定していた処置が行えなくなる場合がございます。約束時間の5分前には来院されますようお願いいたします。時間に遅れる可能性がある場合は、お早めにご連絡ください。ご連絡なく10分以上遅れて来院された方は予約を変更させていただくこともありますのでご了承ください。